〜仕組み・主要ASP・収益モデル・日本との違いを解説〜
はじめに
アフィリエイトはインターネットビジネスの中でも最も古くから存在する収益モデルのひとつです。日本ではA8.netやもしもアフィリエイトなどが有名ですが、実はアメリカがアフィリエイトの発祥地であり、今も世界最大級の市場を誇ります。
特にアメリカはeコマースの規模が桁違いに大きく、AmazonやWalmartをはじめとする小売大手がアフィリエイトプログラムを展開しているため、世界中のマーケターが参入しています。
本記事では、アメリカのアフィリエイト市場の仕組み、主要なASP、収益モデル、日本との違い、そして今後のトレンドについて詳しく解説します。
アメリカのアフィリエイトの歴史
- 1996年:Amazonアソシエイト誕生
- 世界初の大規模アフィリエイトプログラムとしてスタート。
- 当時から「紹介リンク経由で商品が売れたら報酬」というシンプルな仕組み。
- 2000年代:多様化と拡大
- Rakuten(旧LinkShare)、Commission Junction (CJ Affiliate)、ImpactなどのASPが次々登場。
- 金融・保険・旅行など高額案件が増加。
- 2010年代:インフルエンサー時代へ
- YouTubeやInstagramの成長とともに、アフィリエイトが「ブロガーだけの収益手段」から「SNSマーケティングの柱」に進化。
- 現在(2020年代):AI・自動化・マルチチャネル化
- SEOだけでなく、メールマーケティング、TikTok、ポッドキャストなど多様な媒体でアフィリエイトが展開されている。
アメリカのアフィリエイト市場の規模
- 市場規模:約130億ドル(2023年時点)
- 日本市場(約3,000億円)の4倍以上。
- 収益を得ているアフィリエイターの数も数百万人規模と推定される。
- 特に金融(クレジットカード、ローン)、ヘルスケア(サプリメント)、ソフトウェア(SaaS、VPN)が強い。
主要ASP(アフィリエイトネットワーク)
アメリカでは「ASP(Affiliate Service Provider)」のことをAffiliate Networkと呼ぶ。
1. Amazon Associates
- 世界最大のアフィリエイトプログラム。
- コミッション率は商品カテゴリによって1〜10%。
- 30日以内に追加購入された商品も報酬対象になる。
2. CJ Affiliate(旧Commission Junction)
- アメリカ最大級のASP。広告主は3,000社以上。
- 金融、旅行、Eコマース案件が豊富。
- 高額案件が多いので上級アフィリエイターに人気。
3. Rakuten Advertising(旧LinkShare)
- 日本の楽天グループ傘下。
- グローバルブランド案件(Nike、Best Buyなど)が多い。
4. Impact
- SaaSやD2Cブランドに強いネットワーク。
- APIや自動化機能が優れており、データドリブンな運用が可能。
5. ShareASale
- 中小規模の広告主が多く、初心者でも参加しやすい。
- ハンドメイド商品、オンライン学習、フィットネス系が人気。
アメリカで人気のアフィリエイト分野
- 金融(クレジットカード・ローン)
- 1件成約で$50〜$200という高額報酬も珍しくない。
- ソフトウェア(SaaS、VPN、クラウドツール)
- 月額課金サービスの紹介。サブスクリプション型なのでLTV(顧客生涯価値)が高い。
- ヘルスケア・サプリメント
- ドラッグストアやAmazonで売れるため、リピーター需要が強い。
- 旅行・ホテル予約
- Expedia、Booking.comなど。特に海外旅行需要が戻ると再び注目。
- Eコマース全般
- Walmart、Target、Best Buyなど小売大手。
日本との違い
- 案件の単価が高い
- 日本では数百円〜数千円が一般的だが、アメリカでは$100以上も普通。
- 規制が厳しい
- FTC(米連邦取引委員会)が「アフィリエイト広告であることの明示」を義務化。
- 「#ad」「sponsored」といった表記が必須。
- SNSでの影響力が大きい
- アメリカではブログよりもYouTubeやInstagramからの成約が多い傾向。
- 競争が激しい
- 市場が大きい分、SEOの競争は熾烈。ニッチジャンルに特化する戦略が主流。
稼ぐための戦略
- ニッチを狙う
- 例:「妊婦向けビタミンDサプリ」「シニア向けVPNサービス」など。
- コンテンツの専門性を高める
- レビュー記事、ランキング記事、比較記事が定番。
- マルチチャネル展開
- ブログ+SNS+メールマーケティングを組み合わせる。
- アメリカ独自の文化に合わせる
- 感情的コピーライティングが有効。ストーリーテリングを重視。
今後のトレンド
- AIによる記事生成と自動化
- SEO記事や比較表をAIで作り、スピード展開するアフィリエイターが増加。
- 動画アフィリエイト
- TikTokやYouTubeショートで「商品レビュー+リンク貼り」が伸びている。
- インフルエンサーとの融合
- アフィリエイト=ブロガーだけではなく、SNSインフルエンサーの主要収益源に。
- 金融・SaaS分野の拡大
- サプリや日用品よりも高単価案件に人気がシフト。
まとめ
アメリカのアフィリエイト市場は、規模・案件単価・多様性の点で日本を大きく上回っています。特に金融・ソフトウェア・サプリメント分野は稼げるポテンシャルが高く、世界中のアフィリエイターが参入しています。
ただし、競争が激しく、規制も厳しいため、単純なSEO記事だけでは生き残れません。ニッチ分野への特化、SNSとの連携、信頼性の高い情報発信が鍵となります。
👉 アメリカ市場を狙うなら「英語での発信力」「データ分析」「マルチチャネル戦略」が必須。これらを組み合わせることで、安定したアフィリエイト収益が見込めます。

